mamenotanemame

2014年4月よりJOCV、ベネズエラにてアグロエコツーリズム開発のサポートを。

マルガリータ滞在

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先輩隊員の任地、マルガリータ島へ、彼が企画した日本文化祭手伝いのために行けることになり、一週間滞在してきた。
前半は準備、そして文化祭当日、翌日には配属先が取り組んでいるエコツーリズムの試ツアー、最終日に一日自由時間。そんな具合に日程を組んでくれて、とても充実した、そしてすごく勉強になる滞在になった。企画していただいた先輩に大感謝です。

日本文化祭は、8月6日に行った。内容は、先輩隊員さんおよび配属先の活動紹介と日本の文化紹介。日本文化は、おりがみと七夕飾りの展示及びワークショップ、原爆展、終戦から現在までの日本の経済発展史、そして、日本の魚文化と漁業の紹介、現地でもできる日本食としてさつま揚げの提供、ソーラン節、アクティビティとして浴衣の着付け。

結果は、大盛況だった。
会場を貸してくれた博物館には、普段の5倍の来場者が訪れ、配属先の活動も多くの人に知ってもらうことができて、手伝いの協力隊員は公務でマルガリータに来れる。来場者も皆とても満足して帰っていった。本当に皆にとって嬉しいイベントだったと思う。

次の日のエコツーリズムツアーは、先輩の任地のあるマカナオ半島を一日かけてぐるり一周まわるツアー。ラムサール条約にも登録されているマングローブの湿地、絶滅危惧種のコトーラ(cotorra)という鳥の保護サイト、ビーチ、地元の産業(造船業とアーティスト)見学、そして民家にて、手づくり野菜や地元の魚が楽しめる食事。現地の人と触れ合うことのできる、とてもいいツアーだった。

その次の日は、一日自由時間だったので、マルガリータでパーマカルチャーを実践しているコミュニティの見学へ。住所がわからず、近辺についても住民も知らない人が多かったのでだんだん不安になってくる。でも知ってる人にもたどり着き、ようやくその場所に。
意外だったのは、入口に大きな立派な門とゲートがあり、警備員さんがいたこと。
訪問の目的を伝えると、無事に中に入れてもらえて、しばらく事務所で待つ。警備員さんは親切で、コーヒーを飲みながらおしゃべりしていた。
しばらくしてからスタッフらしき人が来て案内してくれることに。無線でやりとりしてるのが印象的だった。聞かなかったけど携帯の電波がここは届かないのだろうか。

長くなりそうなので、別のページにて。

mercado comunal

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ローカル市。現在、市役所の農業・環境課が最近取り組みはじめたアクティビティ。
15日に一度のペースで開かれていて、今までに3回開催された。
毎回、出品数も順調に増えてきている。

今までに売られたものは、市内で採れた野菜や果物(トマト、ネギ、ピーマン、トウガラシ、さといも、ユッカ、バナナ、オレンジ、みかん、mamón(マモンノキ、ムクロジ科の実)などなど)、手づくりチーズなどの乳製品、パンやお菓子、オーガニックコーヒー、民芸品や雑貨、植物やハーブの鉢植えなど。

人気なのは植物やハーブの鉢植え。ここの人は植物大好きで、どんなおうちでも、庭先にたくさんの鉢植えが並んでいる。
野菜は、あんまり売れない。値段が普通の八百屋と変わらないのと、ここで採れる野菜はあまり新鮮味がないんだろう。
ローカル野菜の魅力は、ローカルの人には認識しずらいんだろうなと思った。
主催の課長と話していて、外から来た人が買えるように週末にもできたらいいねえと言ってみると、今の段階では難しいなあと言ってた。

それにしても、いい取り組みがとても多い町だと思う。
環境保護、持続可能に対する意識が強い人がとても多い。すごく失礼だけど不思議に感じる。そういう意識は、資本主義化、グローバル化を経験しないとなかなか生まれないんじゃないかと勝手に思っていたから。

rancho grande

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町の一番はしっこに、とても眺めの良い場所がある。
rancho grandeというその場所は、人びとの集う広場になっていて、その地域に住む家族の手で、とても素敵な場所に生まれ変わろうとしている。

全てをリサイクルで作ろうとしている目論見を語る顔が生き生きしていて、眩しかった。

切り株や廃材でつくったテーブルやイス、ペットボトルの植木鉢、タイヤアート、伝統的な石の貯水槽。鶏も放し飼い。子どもが遊べるスペース、大人がくつろげるスペース。
西向きに開けた展望は綺麗な夕陽が見え、夕方になると、眼下の貯水池にたくさんのシロサギが訪れる。

今は、ビールと軽食を出すだけだけれど、裏側に畑も作りたいと言ってた。
聞いてるだけでわくわくする。

ストーリー

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ストーリーデザインに取り組んでみたい。
この地域にある伝統の民芸品や食を見て、思った。

作っているひとたちの民芸品への思いや、作られるまでのプロセスをまとめて、ちいさな冊子や展示物をつくって、プロモーションに役立たせたい。
州都の観光イベントでの展示販売を見て感じたこと。

民芸品作家、職人の組織運営サポートの企画を、マーケティング、プロモーション、資金運営のところから考えてみる。

マンゴーとアパマテと

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気候が全然変わらないので、7月になったという実感があんまりない。

ここでは、季節感の変化は気候ではなく植物から感じるのではないかな、と思ったりもする。今は、マンゴーとApamateというピンク色の花の季節。

皆至る所であらゆる時間にマンゴーを食べ、通りがかりの家にお邪魔すると、各家庭で作っているマンゴーのコンセルバ(Conserva、もしくはJalea、ジャムみたいなもの)をご馳走してくれる。道端には食べ終わった後のマンゴーの皮や種があちこちに。

Apamateは、とても背の高い木で、日本の桜のよう。満開になると木全体がピンク色に色づく。木の下は花が散り、通りがピンク色の道に。とてもきれい。

マンゴーの次は、Aguacate(アボカド)の季節になるよ、とこの前教えてもらった。楽しみ。

 

仕事は、まだまだ観察時期で、今は同僚に、観光資源や文化財を案内してもらっている。

あとは、観光資源のリストアップとカテゴリー分け。

ここぺティ市は、放牧地か森林(国立公園)が土地のほとんどを占めていて、人が住むところは、Cabure、Curimagua、Pueblo Nuevoという三つの町に集中している。したがって、観光地はそれらの三つの町と国立公園というのが皆の共通認識。

現状は、観光地としてのインフラやサービスはまだ殆ど存在していない。

①交通 住民が通勤や通学に使っているバスが、日に2~3本往復している程度。時間をつぶす場所もないので、案内してもらったときは、同僚の知り合いが車で通ったときにヒッチハイクで移動をした。

②情報 看板があるところが少なく、場所を知っている人でないと行き着けないところが多い。また、どこが見所なのか存在を教える手段、場所がない。民宿のオーナーやスタッフか、住民に聞くかして情報を得る旅行者が殆ど。

③提供準備 加工場などは、機能していないところが多く、観光客を受け入れられる状態ではない。特産品も生産量が少なかったり、タイミングが合わないと作っていなかったり、どこで買えるのかが分からなかったりすることが多い。

訪問者は、州内の近郊の町からか、ここに家族がいる者か、配属先がツアーを組んだときに訪れるツアー客かのいずれか。

2ヶ月目で見えたのはこんなところ。


雨と停電と2ヶ月目

夏前の、雨の季節に入ったらしい。

午前中、午後、そして夜中にも、集中的にどどどさっと降る。

子どもは、外へ飛び出す。

雨の降る直前は、涼しくて外も歩きやすいし快適だし、振った後の蒸し暑さも好きなのだけれど、建物の中にいると、雨雲で室内が暗くなる上に、雨が降るともれなく停電になり、日が沈んだ後は、勉強、作業、仕事ができない。ぷつん、という電気が消える音とともに、ちょっとうんざりした気持ちがやってくる。

そうなると、ふて寝するか、ろうそくを持って居間に行く。家族があつまる。携帯ラジオを聴くか、クアトロを持ち出すこともある。

 

一度、夜に停電になったときに、ステイ先のおかあさんと、ろうそくを買いに外に出たことがあった。町中暗くて、空はうす曇。子どもの遊ぶ声、庭先で談笑する声、なんだかいつもよりにぎやかに見えて、うきうきした気持ちに。ろうそくを売っているお店の隣に、ステイ先のお母さんの孫たちが住んでいて、近づくとrukoーーと駆け寄ってくる。ろうそくを買って、そのままこどもたちと一緒に、おばあちゃん家へ。暗闇にライトを照らしながら、くらいね、こわいねーとはしゃぎながら進む。ところがうちに着いたとたん、ぱっ、と電気が戻り、心なしかがっかりしたのだった。 

 

2ヶ月目に入り、活動報告書を書きながら、現状や問題を整理する。

いまあるものは何か?そこから始めればいいのだと教えてもらい、考える。 

多くの鳥類が生息する国立公園や内部にある滝、スペイン人が使用していたコロニアル時代の石畳の道、鍾乳洞、先住民の描いた岩肌への壁画、農村地帯の緑豊かな景観、チェーン店など何もない素朴な町並み、きっちり整備されていない自然のままの渓流、数々の有名人・英雄を産出した歴史、伝統食、民芸品。

そんななか、問題として皆が認識していることは、週末や連休には多くの観光客が訪れるもののその収益は十分に市内の経済活動(農業、牧畜、その他民宿や民芸品など観光業に従事する人々)まで行き届いていないこと、また国立公園内の植物の持ち去りやごみのポイ捨てなど、観光客のマナーの悪さが目立つこと(そしてごみのポイ捨ては観光客だけの問題ではないこと)、公園内の適正収容力の問題、観光客閑散期のアクティビティの少なさ。

そして、配属先から期待されている活動や、今から始められること、理想的な観光地としての姿やそれに向けたまちづくり、二年後の目標、そんなものを、6月に入って始めの二週間は模索していた。なんとなく輪郭だけは見えてきて、残りの二週間はそれを周りの人たちに伝え、行動を開始していこうと思っている。そんな二ヶ月目。

 

一ヶ月のふりかえり

任地派遣から一ヶ月、事務所の活動報告会&総会のために一週間ほどカラカスに滞在。

 

一ヶ月ぶりにカラカスに戻ってきて感じたのは、一番初めにベネズエラに着いたときよりも気持ちが楽になってたこと。前は、外を歩くときとか、旅中のようなよそ者感とどきどきが強かったけれど、今回は地元的な安心感を感じているのに気づく。

 

この一ヶ月、思い描いていたような動きは全然できなかったけれど、幸運と人の優しさに恵まれ、任地の生活に慣れることができてきたように思う。これからどう関わっていくか、同僚のプロジェクトをどうサポートできるのか、具体的に話し合いを進めていこうと思う。

現状では、まだ自分が何ができるのかも、何をしたいのかもまともに伝えられていない。スペイン語も、今までの経験から感じるにリスニングからだと上達は遅く、話したい内容を伝えようとするところからやっぱり始まる気がするので、ちょっとずつ、ちょっとずつ。