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2014年4月よりJOCV、ベネズエラにてアグロエコツーリズム開発のサポートを。

マルガリータ島のパーマカルチャー見学

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マルガリータ島滞在、一日自由時間をもらったので、パーマカルチャーを実践しているコミュニティまで見学に行ってきた。

 
Tashigar Norteという、もともとはチベット仏教を基盤としたヨガや瞑想をしている、言わばお寺みたいな施設で、パーマカルチャーを取り入れ始めたのはここ10年ほどとのこと。
なんでも、団体の運営が厳しくなり、農業を始めたが、慣行栽培は全くうまく行かず、たまたま仲間の一人にパーマカルチャーコース修了者がいたため、彼女の指導のもと始めてみると、とてもうまくいったんだという。
代表者はアルゼンチン人で、アルゼンチンにTashigar Surというコミュニティがあり、それにちなんでここの名前をつけたと言っていた。
 
入り口からメインのお堂まで、ナツメヤシの木がずらりと並ぶ。雨が少ないせいで実は小さく、食べられそうなものを物色しながら進む。ジャムみたいに濃縮された甘さ。
 
さらに敷地内を歩いていると、マンゴー、レモンなどの果樹、サボテン、ニンという薬用樹木などがたくさんあり、木陰がとても気持ちいい。ちなみにレモンは水の浄化作用があるという。初めて聞いた。歩く地面も落ち葉や雑草でふかふかしている。
 
いくつかの建物を横目に、説明+雑談しながら進んでいく。コンポストトイレ。これはエコフェリアのワークショップで作りはじめ、数ヶ月かけてつくったそう。解放的で、なぜか仕切りなく便器がふたつ並んでいる。そして目線のためか、土台がとても高い。はしごで登った。ちなみにコンポストトイレはBaño seco。

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次に見たのは、お堂の裏のスウェール。ここは雨の問題が大きくて、降るときはもう土地全部が河になるまで降る。お堂の裏はちょっとした斜面になっていて、雨が降ると水が流れてくるため、お堂が水に浸らないよう、排水溝を作り水の流れを作っていた。それぞれの排水溝の間には、根っこがしっかりした樹木を植える。とてもよく機能しているという。見た目もとても美しい。

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それからすこし山を登り、谷全体が見渡せる場所まで。途中、野性のオレガノが生えていた。とても強い良い香り。また、巻き貝がたくさん落ちていて、一個持ってっていい?と聞くと、全部持ってってほしいくらいだよ、と笑って言われた。ここでは外来種の害虫で、植物の根とか他の益虫も食い荒らしてしまって困っているそう。貝が害虫なんて海辺ならではだなあなんて思ったけれど、山に住む貝らしい。
見晴らしのいい場所へ出る。背後は山、前の視界は青い海、眼下には山に囲まれた村が見渡せてすごく気持ちいい。風の音、鳥の声だけが聞こえる場所。

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元来た道を戻り、お堂の中へ。カラフルだ。坐禅を組む場所がある。チベット仏教について説明してもらう。ちょっと難しくて忘れた。
 

そのあと、畑へ。アロエベラを単一的に育てている畑(今は野性のアロエベラを畑に移植している最中だった)、そして野菜園へ。野菜園は、果樹と野菜が寄せ合わされて植えられていて、畑全体の形も有機的で素敵だった。おなじみのマンゴー、バナナもあれば、ベネズエラではあんまり見たことのないザクロの木も。べつの畑だけれど、とげとげしたきゅうりなど珍しいものもあった(味は普通)。

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団体の運営や活動について教えてもらう。
今は、レストランに有機レモンを卸したり、アロエベラや粘土の販売、子供たちへのエコ教室や自然キャンプなどを実施。その他、その地域の人々を巻き込んだエコフェリアなども過去何度か開催。
今は、地域全体を対象地域としたエコツーリズムプロジェクトを進めようとしているのだという。
ただ、とてもよくある話だけれど、地元の人々の理解を得るのがなかなか難しい。
ここに来るときもさんざん道に迷い、歩いている人に道を聞いたが、知らない人も多く、知っていても、ああ、白人が集まってなんかやってるとこね、みたいな反応をされたのだった。
 
最後に、マルガリータの先輩隊員と配属先がおこなっているエコツーリズムの紹介をちょっとしたら興味を持っていた。パンフレットをもらい、その場所を離れる。帰りに車で送ってくれた人とパーマカルチャーばなしがたくさんできて楽しかった。(彼はペルー人だった。奥さんはロシア人。)日本のコースのこととか。福岡正信さんの泥だんごの種まきの話とか。
 
とても良い時間を過ごせたのでした。