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mamenotanemame

2014年4月よりJOCV、ベネズエラにてアグロエコツーリズム開発のサポートを。

家族

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ある土曜日。

いつものように、あるお家にHallacaを買いに。ふたつ買うといつもおまけでもうひとついれてくれる、村でいちばんおいしいと評判のHallaca。買いに行くといつもコーヒーも淹れてくれ、おしゃべりをしてから帰る。

その日は、人の出入りが多く、なんとなくばたばたしていた。今日は何かあるの?と聞くと、家族のフィエスタ(お祭り)があるのよ、と。へえー素敵だねえ、と私。

今日は午後何するの?るこも来るべきよ!Estas invitada!招待するよ!と。この社交辞令なのかほんとうに誘ってくれているのかわからない招待を、常識知らずのふりをして(ほんとうにそうなのかもしれないけれど)乗っかると、とても幸せな出来事が待っている、ということを、私はなんとなく知っている。その先にあるのはいつも人の温かさだからだ。

 

一度家に帰って、朝ごはんともお昼ごはんともつかない時間にHallacaを食べ、半分は遊びに来ている孫たちに食べられ(好き嫌い激しい孫たちもこのHallacaはぱくぱく食べてしまう)、着替えて再びその地域へ。なんとびっくり、50人近くの人が集まっていた。

 

親戚の輪は、広げるとどこまでも広がっていく。前に、たどっていけばこの村は誰もが家族なんだよ、と教えてくれた人がいたけれど、それは家族として振舞うその思いやりもそうだがそれ以前にほんとうに家族なんだろう。そうこうしてる間にもどんどん人が増えていく。今は離れた場所に住んでいて、5年ぶりに訪れた、という人もいた。そうして、よその場所で家族が増え、またこの村に戻ってくる。

 

知らない人も多い中、知っている人もたくさんいた。いつも親切にしてくれていた人たちはみなこの家系だったのか。殆どの家族は私のことも家族のように扱ってくれるけれど、特別良くしてくれる人たちが村のところどころにいて、その家族がみな同じ場所に集まっている。

 

初めて会った人が、今日君が飲むビールは全部俺のおごりだ!と言ってくれたり、おごってくれる前に誰もがビールを手渡してくれたり、倒れるからそんなに飲んじゃ駄目!としかられたり、もはやどうすればいいのかわからないが、皆が気遣ってくれるのがとても嬉しく、ありがたかった。

 

音楽の演奏。村のことを歌った曲。Gaita、Merengue、若者のパーカッショングループ。そして皆踊り、踊り、踊る。心から音楽と踊ることがすきな人たち。

いつも踊り方を教えてくれる子は、数ヶ月前、足を捻挫して引きずっていた時でさえ、痛みに顔をしかめながら村の祭で踊っていた。踊らずにはいられないみたいだった。

子どもたちの踊りの上手さ。まだ小学校に入る前の子どもが、大人顔負けのダンスを見せる。ここでは、食べることと呼吸することと同じレベルで踊ることがあるみたいだ。生まれたときから染み付いているんだろうか。

 

夜は更けても音楽はやまない。私は途中で退散したのだけれど、きっとフィエスタは朝まで続いたんじゃないかと思う。家族のフィエスタ。幸せと楽しさと温かさがぎゅっとつまった、この土地の魅力そのものの空間だった。