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2014年4月よりJOCV、ベネズエラにてアグロエコツーリズム開発のサポートを。

白鷹町にて

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山形の白鷹町に来ている。

普通自動車免許の合宿のためなのだけれど、仮免までは比較的時間の余裕があるため、教習所の周囲を散策。

7月も半ばを過ぎているのに、ところどころに紫陽花が咲き誇る。

古い蔵や昔の面影残る家々が並ぶ通りをてくてく歩き、路地に入ると軒先で梅を干していたり、農作業帰りのおじいちゃんおばあちゃんとすれ違ったりと、とてものどかな町。皆挨拶をしすれ違う。

 

白鷹町は、深山(みやま)和紙と深山焼、そして紅花の産地だった。

 

深山和紙のできるまで

教習所の前の道路に「伝統工芸の村→3.3km」という案内があって、気になって向かってみたら片道45分。久しぶりにこんなに歩いた。

着いたら17時近くになっていて、お客さんはひとりも見なかったけれど、和紙センターは開いていた。女の人が中で作業をしていて、設備や乾燥中の和紙などを見せてもらった。

生産工程は上記URL先の通り。

楮(こうぞ)という植物の皮が材料で、雪の中でさらし色を白くする。

 

深山焼 深山工房つち団子

深山焼はあいにく閉まっていて中に入ることはできなかったけれど、教習所の近くの文化交流センターAYu:Mというところで作品をみることができた。

紅花の灰の釉薬を使った器で、素朴な感じの黄土色。

つるっつるという程ではないけれども、なめらかな触り心地。

もち手がないカップは、意外なほどに軽い。お皿はちょっと重い。

 

紅花。

山形は有数の紅花産地だけれども、白鷹町は中でも生産量いちばんとのこと。

とても高級品で、今は需要があれど生産が追いついていないそう。

葉っぱにとげがあって、花びらの収穫がとても大変で、一時期は紅花の生産が廃れてしまったけれど、学生やボランティアのお陰でまた生産を復活することができたと話を伺った。今は、紅花の産地として、収穫できないまでも、景観用に紅花の栽培を奨励しているとのこと。

染料に使うときは、そのまま使うのではなく、「紅餅」という、保存しやすい状態に加工してから使うそう。水溶性の黄色い色素を洗い流し、醗酵させて臼でつく。(だから紅「餅」というんだろうか。)

AYu:Mで開催されていた紅花colorsという展示で見た、東北芸術工科大学 テキスタイルコースのパンフレットがおしゃれ。

 

 

さて、山形は雷注意報。

先日の大雨は、被害にあった人やお家や畑が少なくなかったみたいで、とてもひどかったけれど、今日もなかなかひどい。

自然と共生するための工夫は、どこまでが許されて、どこからが許されないのか。その境界は、持続可能か否かという基準だけでいいのか、被害や犠牲はあるべきことではないのか、それとも受け入れるべきなのか、

自分の感覚、周りの感覚、観察をし続けることが大切なのかな、と思う。

 

理想なんてものはなく、全ては存在しているものの間にあるバランスだ。